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クリストフ・バンガルド

Profile

1978年、西ドイツ生まれ。パレスチナ、チャド、アフガニスタン、レバノン、ナイジェリア、ジンバブエなど世界各地を撮影。2005年から2006年にかけて約9ヶ月にわたりニューヨークタイムズのためにイラクを取材した。この時の写真は写真集「IRAQ: The Space Between 」として出版された。これまでタイム、ニューズウィーク、デア・シュピーゲル、ナショナルジオグラフィックなど各誌に掲載されている。

クリストフ・バンガルド

クリストフ・バンガルド氏特別インタビュー

2011年、震災直後から約1か月にわたって東北を取材したドイツ人写真家クリストフ。彼は現在(2013年3月5日)東北を再訪している。

C.B=クリストフ・バンガルドさん A=アマナイメージズ

A: 今どこにいるのか?
C.B: 福島県いわき市の北、楢葉(ならは)というところ、原発の30km圏近く。Jヴィレッジという元はJリーグのキャンプ地に泊まっている。2月10日に日本に着いてから、すぐ北上し被災地を取材している。3月9、10日は東京に戻り、反原発デモの様子をとる予定だ。
A: 2年ぶりに訪れて何が違うか?
C.B: 被災地は2つのエリアに分かれる。津波の被害があった所と、原発の被害にあった所。 津波被害の場所は、この2年でがれきや半壊していた建物などがきれいに取り除かれ、びっくりした。と同時に2年たってもまだ復旧作業が残っているのを見て、改めて震災の規模の大きさを感じた。
C.B: 原発の被害にあった場所は、津波の被害があった所と違い、未来が見えない…いつ戻れるのか、いつ元に戻るのかが、不確かだ。津波被害のみの地域は、またやり直せる、未来があるという思いで人が前に進んでいるのを感じるが。小高(おだか)という南相馬の一部、原発20km圏内の津波にあった場所も見たが、津波直後とまったく変わっていない。
A: 再会した人はいるの?
C.B: 沢山いる。彼らの暖かさに心を動かされた。実際には再会したほとんどの人が、元気で前向きだ。とはいえまだ支援は必要だ、子供たちの未来のことなど考えると。ただ日本人は不平をあまり言わない民族だから。
A: 2年前、どうこのプロジェクトがスタートしたか?
C.B: スイスの自宅で、パソコンで妻とニュースを見た。ただただ、すぐ行きたくなった。そして航空会社に電話して飛行機を予約し、1時間以内には家を出ていた。飛行機が飛んだ後に成田が封鎖されていることが伝わり、それが解除されてから着陸した。あのとき成田に着陸した初めの数機のうちの一機だったと思う。それが3月12日、震災の翌日だ。 知人に紹介された通訳兼運転手とともに、ようやく横浜でレンタルできた小さな古い車で北上した。高速は封鎖されていたので、一般道をあがったが渋滞がひどかった。いわきに向かったところで、NHKラジオから原発事故のニュースが入った。情報ははっきりしないまま、次々原発のニュースが入ってきた、そして突如音楽に切り替わり、「ストロベリーフィールズ・フォーエバー」が流れた。その時、これでもう死ぬかと思った。
A: なぜ逃げなかったのか?
C.B: 当時、海外のジャーナリストは逃げ出した者もずいぶんいた。ドイツのジャーナリストで韓国に逃げた人がいた。僕は怒りを感じた。ジャーナリストなら残るべきだ。韓国から東北の報道をするなんて馬鹿げている。 僕のまわりには日本人がいたし、日本のジャーナリストは逃げなかったから、僕も死ぬ時は彼らと一緒と思って逃げないで済んだ。そういうことにはもちろんならなかったが。
A: でもあなたも家族がいるでしょ…
C.B: 妻は第2子を妊娠していた。でも僕のことを理解してくれている。携帯電話も途中から通じた。当時ヨーロッパでの報道はひどかった、世界の終りのようなことを書きたてていたので心配してたと思う。韓国からレポートしてるんだから、そんな報道になってもしかたないと思うけど(笑)
A: ドイツではなぜ原発廃止が可能で日本では困難なのか?
C.B: 難しい質問だが、ドイツ人のある時発揮するスピリットというか…ドイツは長い反原発の歴史があるからだと思う。80年代にチェルノブイリがあってからずっと反原発の歴史があった。ひと晩で起こることではないと思う。 日本は…もう2年たてば福島のことも関心が薄れてしまうという恐れもある。分らないけど。年々、デモの規模も小さくなってる。人間の性だと思うが…でも本当にどうなるか分らない。
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A: 戦地だったり、今回の取材だったり、なぜきつい主題を選ぶの?
C.B: 難しい質問。理由があるわけではなく、惹きよせられてしまう。意味があることだと思うが、使命感でやってるわけではない。でも誰かがやらないといけないとは思う、自分で無くても。
A: 写真で世界が変えられると?
C.B: それは絶対ない!思ってないし、変えたくない!世界を変えるのは人で、人は写真を見る。だから僕はサービスを与えているだけ、社会に。 写真が出版掲載されるというのが僕のゴール。それを人が見てくれれば良いし、見て何かがスタートしてくれたらいいけど、それは人次第だし、ただ写真が世に出たらそれで僕の仕事は終わり。
A: また福島を撮りに来るか?
C.B: もちろん。1年か2年に一度は来たい。これはライフワークであの場所がどのように変わっていくかを撮り続けたい。結局、何がしたいかというと、2年前より良いとはいえ今はカメラに映るものがほとんどSadだけど、いつかここで撮った写真がすべてHappyなものになったらいい。
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(2013年3月5日 電話取材)

特集:『世界から見たフクシマ』 はこちら

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